Japanische Klassiker mit Furigana
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にしきぎ
錦木
宮本 百合子
Lesen Sie 錦木 (にしきぎ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.481 Zeichen · 103 Bildschirme
「お察し申します、お察し申します。私ももう死んでしまいそうに悲しゅうございます」
と一所になって泣いて居る。
「何故私は忘られないのだろう、彼の人はなぜするどい剣で私を殺して呉れないのだろう、何故殺して呉れないのだろう。誰もなぐさめても呉れず、只一人で泣いて悶えて苦しんでそうしてたった一人で死んで行くのが私の運命なんだ」
ひからびた様になった年とった乳母の肩をしっかり抱いて泣いて、身をふるわせて悲しい思をうったえて居る光君の哀れな様子に女達は居たたまれなくなって顔をおさえながら出て行ってしまった。その□もう一度もうわごとを云う様なことはなかったけれ共悲しさはますますひどくなりまさって行く許りであった、かくして居ようと思った乳母も、心配で心配でたまらなくなったのでとうとう山の手の家に知らせた。母君などはもうとっくに紫の君はなびいて居て帰ったらすぐ御婚礼の式が出来るのだろうと思って居たので驚き様は一通りのものではなかった。その日の内に返事が来た、それは何はともあれ早速こっちの家につれて来る様にと云うのであった。乳母は早速男君にかえる様にとすすめた。光君はだまって頭を横に振って居た。