Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にしきぎ

錦木

宮本 百合子

Lesen Sie 錦木 (にしきぎ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.481 Zeichen · 103 Bildschirme

Aozora Bunko

そんな事を話した夜から光君は大変熱が上った。うわごとは絶えまなくもれた、その思って居ることを正直に云ううわごとは一言でも半言でも皆紫の君のつれなさを嘆いて居るのであった。乳母は悲しみと怒りにふるえながら、

「まだ彼の人は意地をはっていらっしゃると見える。何と云うにくらしい方だろう、きっと化性のものにちがいない」

とまで罵った。子供の様にたえられない様にすすり泣きをすることもあれば、いかにもうれしげに肩をすぼめて笑うこともある。女達はきっと光君はもうもとの心にはかえるまいと思ってどんなに悲しがっただろう。うわごとを云って熱の高かった日は三日だけであった。四日目に熱はうそのように下って夢からさめた様に青ざめてつかれはてたように乳母によりながら、

「何と云う因果な事だろう、私はあの人に、『心から貴方につれなくする』とまで云われても、私はあの人の事が忘られない。お願だ、どうぞ忘れさせて御呉れ、あの気高い姿とあのかがやく様な顔を」

と云って三つ子の様に乳母の肩にかおをうずめて泣いて居る。乳母はもう胸が一杯になって何と云ってよいやらわけがわからず只その背をさすって、