Japanische Klassiker mit Furigana
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もん
門
Lesen Sie 門 (もん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.830 Zeichen · 278 Bildschirme
十七
安井とか云って私はまだ逢った事もない男ですが、弟がしきりに私に紹介したがるから、実はそれで二人を呼ぶ事にしたんです」
宗助はその夜蒼い顔をして坂井の門を出た。
十七
宗助と御米の一生を暗く彩どった関係は、二人の影を薄くして、幽霊のような思をどこかに抱かしめた。彼らは自己の心のある部分に、人に見えない結核性の恐ろしいものが潜んでいるのを、仄かに自覚しながら、わざと知らぬ顔に互と向き合って年を過した。
当初彼らの頭脳に痛く応えたのは、彼らの過が安井の前途に及ぼした影響であった。二人の頭の中で沸き返った凄い泡のようなものがようやく静まった時、二人は安井もまた半途で学校を退いたという消息を耳にした。彼らは固より安井の前途を傷けた原因をなしたに違なかった。次に安井が郷里に帰ったという噂を聞いた。次に病気に罹って家に寝ているという報知を得た。二人はそれを聞くたびに重い胸を痛めた。最後に安井が満洲に行ったと云う音信が来た。宗助は腹の中で、病気はもう癒ったのだろうかと思った。または満洲行の方が嘘ではなかろうかと考えた。安井は身体から云っても、性質から云っても、満洲や台湾に向く男ではなかったからである。