Japanische Klassiker mit Furigana
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もん
門
Lesen Sie 門 (もん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.830 Zeichen · 278 Bildschirme
夫婦は例の通り洋灯の下に寄った。広い世の中で、自分達の坐っている所だけが明るく思われた。そうしてこの明るい灯影に、宗助は御米だけを、御米は宗助だけを意識して、洋灯の力の届かない暗い社会は忘れていた。彼らは毎晩こう暮らして行く裡に、自分達の生命を見出していたのである。
この静かな夫婦は、安之助の神戸から土産に買って来たと云う養老昆布の缶をがらがら振って、中から山椒入りの小さく結んだ奴を撰り出しながら、緩くり佐伯からの返事を語り合った。
「しかし月謝と小遣ぐらいは都合してやってくれても好さそうなもんじゃないか」
「それができないんだって。どう見積っても両方寄せると、十円にはなる。十円と云う纏った御金を、今のところ月々出すのは骨が折れるって云うのよ」
「それじゃことしの暮まで二十何円ずつか出してやるのも無理じゃないか」
「だから、無理をしても、もう一二カ月のところだけは間に合せるから、そのうちにどうかして下さいと、安さんがそう云うんだって」
「実際できないのかな」
「そりゃ私には分らないわ。何しろ叔母さんが、そう云うのよ」
「鰹舟で儲けたら、そのくらい訳なさそうなもんじゃないか」