Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつぜにがたへいじ
随筆銭形平次
野村 胡堂
Lesen Sie 随筆銭形平次 (ずいひつぜにがたへいじ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.840 Zeichen · 10 Bildschirme
四
コナン・ドイルはその自叙伝のうちに、「私がもしシャーロック・ホームスなどいうものを書かなかったら、文壇的にはもっと高い地位をかち獲たことであろう」というようなことをいっている。コナン・ドイルとしては当然の述懐で、まことに同情に堪えないが日本の愛読者なる我々にとっては、シャーロック・ホームス無しにコナン・ドイルの存在は考えられず、ホームスを書かないドイルなどは、まずどうでもいいように思うのが一般人の常識であろう。
岡本綺堂先生は、その傑作戯曲「修禅寺物語」や「新皿屋敷」だけでも、恐らく文人として不滅であるだろう。だが、我々捕物作家群と、捕物小説を愛する一般人にとっては「半七捕物帳」無しには、岡本綺堂先生を考えられないということにもなるだろうと思う。
「半七捕物帳」に描かれた江戸の風物とあの詩情と、それに一脈のほの温かい人情味は、大衆読物の神髄に徹するものだからである。
四
私の捕物小説の主人公、銭形平次については、私はもう語りすぎるほど語り尽くした、今さら何を贅することもあるはずはない。
たった一つ、くり返して訊かれることに、平次の特技なる「投げ銭」