Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつぜにがたへいじ
随筆銭形平次
野村 胡堂
Lesen Sie 随筆銭形平次 (ずいひつぜにがたへいじ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.840 Zeichen · 10 Bildschirme
三
それをはっきりいい切って傲らぬ総理大臣吉田茂を私は見直した。
社会党の書記長鈴木茂三郎君は、かつての日新聞記者として私の同僚であり、友人でもあった。私が花輪を一つ寄贈してくれと注文してやると、夜中に電話を掛けて「速達は今拝見した、是非僕の花輪も加えてくれ、僕は銭形平次の愛読者だ」といってくれた。
嬉しいではないか、かつての日の鈴木茂三郎君は、聡明で優秀で、品が良くて、腕の確かな新聞記者であった。彼の聡明と、彼の純情と、――多分にそれは文学青年的ではあるが――彼の学問と彼の押しとを以てして、将来一度は総理大臣になる男だろうが、その鈴木茂三郎君の花輪を自由党の首相吉田茂氏の花輪と並べたことは、捕物作家クラブの味噌でもあったのである(だが考えてみると、前首相芦田均君も私の一高時代の旧友の一人であった、吉田首相と鈴木茂三郎君の花輪の間に、芦田均君の花輪を挟むことを忘れたのは、なんとしても重大な私の手落ちであった)。
三
岡本綺堂先生が「半七捕物帳」というものを書いたのは、ともかくも日本の文壇には大きな「劃時代的」な事であった。捕物小説という形式は、一部に多少の非難はあるにしても大衆に愛されて育っていくに違いなく、向後大きな発展を約束されているだけに、その創始者の岡本綺堂先生の業績は永く記念されていいと思う。