Japanische Klassiker mit Furigana
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エス・オー・エス・ボーイ
難船小僧
夢野 久作
Lesen Sie 難船小僧 (エス・オー・エス・ボーイ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.169 Zeichen · 43 Bildschirme
晴れ渡った青い青い空、澄み渡った太陽。静かな、切れるような冷めたい風の中で、碧玉のような大濤に揺られながらの海難……。
……行けども行けども涯てしのない海難……S・O・Sの無電を打つ理由もない海難……理由のわからない……前代未聞の海難……。
「サアサア。みんな文句云うところアねえ、在りったけの石炭を悉皆、汽鑵にブチ込むんだ。それで足りなけあ船底の木綿の巻荷をブチ込むんだ。それでも足りなけあ俺から先に汽鑵の中へ匍い込むんだ。ハハハ。サアサア。みんな石炭運びだ石炭運びだ……」
事実石炭は最早、残りがイクラも無かったのだ。横浜で積込んだ時の苦労を逆に繰返して、飛んでもない遠方から掘り出すようにしいしい、機関室へ拾い集めるのであったが、その作業を初めると間もなく、残炭を下検分に廻わった二等機関士のチャプリン髭が、俺の部屋へ転がり込んで来た。
「……タ……大変です。S・O・Sの死骸が見つかりました」
「ナニ。S・O・S……伊那の死骸がか……」
「エエ。そうなんです……ああ驚いた。ちょっとその水を一パイ。ああたまらねえ」
「サア飲め。意気地無し。どこに在ったんだ」
「ああ驚いちゃった。