Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ゆきのうえのしも
雪の上の霜
山本 周五郎
Lesen Sie 雪の上の霜 (ゆきのうえのしも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.586 Zeichen · 50 Bildschirme
三
「もうどうか」伊兵衛は手を振った、「――これは私が悪いのですから」
「いや申さねばわからぬやつらです」
青岳は会釈を返して、なお烈しく叱りつけた。
「きさまらにはわかるまいが、この方は一流の達人だ、本気になられたらきさまら、一人も無事では済まぬところだったぞ、おれがお詫びを申してやる、此処へ来てみんなあやまれ」
三
おたよは夜具の上に坐って、袴を着けている良人の姿を、気遣わしそうに眺めていた。
まだ病後の窶れはあるが、若い躯は恢復も早いらしく、皮膚は艶やかになり、血色もよく、活き活きと光りを湛えた眼もとなど、一種の嬌めかしささえ加わったようである。
「それで、その小室さまと仰しゃる方とは、どこでお知合いになりましたの」
「それはあれです」伊兵衛はちょっと詰ったが、「――その問屋の店でですね、ほんのちょっとしたことからなんだが、そういうわけならぜひ訪ねて来い、という話になりましてね、私もいちどは断わったんだが」
荷物持ちの稼ぎのことは、妻には固く内密であった。むろん峠の出来ごとなどは、話せない。おたよの知りたいのも、その点ではなく、これから良人が訪ねる、小室青岳という人物と、その用件がなんであるかということであった。