Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのうえのしも

雪の上の霜

山本 周五郎

Lesen Sie 雪の上の霜 (ゆきのうえのしも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.586 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

五

こう呼びかけて、にこにこ笑いながら、大股にそっちへ進んでいった。

五

馬子たちはあっといった。息をのんだ。姿は変っているが、自分たちが峠でいんねんをつけ、逆にさんざんなめにあわされた相手である。そのぬきんでた風貌と、にこやかな顔は、忘れることのできないものであった。

――向うも忘れてはいまい。

――おそらく怒っているだろう。

これはますますひどいことになるぞ、というふうに思ったらしい。が、伊兵衛は侍たちには眼もくれず、例のまるっこい顔をにこにこさせ、おじぎをして、

「やあ、あのときは失礼しました」とあいそよく話しかけた、「おかげでこんど働き口が定りましてね、あの小室さんの道場のお手伝いをすることになったのですが、それだもんですから、これからは決してもう貴方がたには迷惑はおかけしません、本当です」

馬子たちはへどもどした。かれらには伊兵衛の真意がわからない、本気で云っているとは思えなかった。ところが伊兵衛はなおにこやかな顔で、

「いま向うで聞いていたんですが、この方たちとなにかゆき違いがあったらしいですね、いったいどうしたんですか」

「へえ、それがその、へえ、その」