Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんさいにっし

震災日誌

喜田 貞吉

Lesen Sie 震災日誌 (しんさいにっし) von 喜田 貞吉 (きたさだきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.617 Zeichen · 40 Bildschirme

Aozora Bunko

●嬉しき便り(一)

東京の火は三日朝になってもまだ止まぬ。いったん喰い止めていた下谷池の端が盛んに焼けているという。もし岩崎邸へ火が廻ろうものならば、せっかく残った本郷の残部も助かるまい。さては小石川の方面も助からぬと、危惧の念がまた増して来る。幸いに午後になって全市鎮火との報を得てやっと安心することが出来た。最初の出火以来約五十時間焼き続けたのだ。

揺り返しは相変らずやって来る。人々は今夜も露宿の覚悟をしているものが多かったが、夕方から雨が降り出したのでいつとはなく屋内に引き揚げた。それでもなお入口の雨戸を明け放して端近に寝床を設け、いつでも飛び出す準備を怠らなかった。

夜になって、前の通りを高崎聯隊・宇都宮聯隊の兵士の列が通過する。群馬・栃木の警官の応援隊が入り込む。これから帝都の治安も十分維持されることと、不安の念もようやく薄らいだ。しかし自警団の活動は相変らず続いている。

●嬉しき便り(一)

九月四日(火)震災第四日。本所・深川全滅の報知はすでに震災第一日からしきりに伝えられた。中にも本所被服廠跡では、数万の人が一団となって焼死したという声さえ聞える。しかも大川の橋はことごとく焼け落ちて、とうてい通行も出来ないなどと、噂はとりどりで、同じ帝都の中にいながらも、虚実はさらに判明しなかったが、それがやっと今朝になってほぼ