Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんさいにっし

震災日誌

喜田 貞吉

Lesen Sie 震災日誌 (しんさいにっし) von 喜田 貞吉 (きたさだきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.617 Zeichen · 40 Bildschirme

Aozora Bunko

●放火の警戒

宅は大丈夫だと強いて促して屋内に寝かせる。しかし群集心理は恐ろしいもので、年下の二人は好奇心も手伝って、どうしても露宿したいという。すなわちいくつかの屏風を持ち出し、毛布で上を被うて夜露を防ぐの設備をしてやる。

相変らず東南へかけての空は真っ赤だ。避難者は夜を徹して富士見坂の方から雑司ヶ谷方面に向って続いている。

●放火の警戒

九月二日(日)震災第二日。夜中もおりおり強い奴が繰り返し繰り返しやって来て、覚悟しながらも思わずたびたび飛び起きる。

夜は明けたが火事は相変らず続いている。誰言うとはなく、この火事は震災のためばかりではなく、不逞の徒の所為だとの噂が伝わる。道の辻々には火の元注意の掲示とともに、放火警戒の宣伝ビラが貼り出される。はては○○の名をもって、「放火せんとする無頼の徒ありとの風聞あり、各自警戒を厳にし、検挙の為に積極的後援を望む」というような注意書までが見え出した。市民の興奮はその極に達した。誰が指揮するともなく各自棍棒・竹槍等を携帯して警固に出かける。むろん自分もその中の一人だ。中には短刀や抜身の槍などと物騒なものを持ち出す連中もある。