Japanische Klassiker mit Furigana
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あおいめがね
青い眼鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 青い眼鏡 (あおいめがね) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.201 Zeichen · 24 Bildschirme
早速自動車を飛降りて、駆け付けた花房一郎、
「すみませんが、一寸その信号灯を貸して下さい」
「それは困ります、もう終電車が来る頃ですから」
信号手は迷惑そうにして居りますが、花房一郎は重ねて、
「いや、決して手間を取らせるわけでは無い」
忙しくくりひろげた先刻のちらし、信号灯の青い光りにその裏を照すと、青色の地模様は消えて、
……銀座銀座と通う奴馬鹿よ……
はっきり銀座節が読めるだけ、外に何んの変ったところもありません。
「ハテナ」
花房一郎は、暫らく其のちらしを信号灯に押し付けて、くり返しくり返し眺めて居りました。
「アッ、もう電車が来ました、退いて下さい」
押し除けられてよろけるはずみに、花房一郎の頭脳の中にはチラリと天来の霊光が射しました。
(あッ、あれだあれだ、青い眼鏡で見れば、赤い地模様と赤色で刷った文字だけが読めるが、若し、若し赤い眼鏡で見たら何が読めるだろう、青い細かい地模様と見えたものの中に、何んか外の文字が隠されて居なかったろうか)
斯う考えると花房一郎、信号手の取り上げた信号灯の赤の方の窓へ、あわただしくそのちらしの裏を持って行きます。