Japanische Klassiker mit Furigana
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あおいめがね
青い眼鏡
野村 胡堂
Lesen Sie 青い眼鏡 (あおいめがね) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.201 Zeichen · 24 Bildschirme
五
自動車は砂塵を捲いて夜の街を飛びます。
五
丁度その頃、都銀行の金庫室の内部には、こんな事が起って居りました。
「サア、もうよかろう、皆退いた退いた」
首領の声につれて、五六人の怪漢は、二三間飛退さり、懐中電灯の明りを金庫に差し向けます。コンクリートで築き上げた厳重な室の中には、一人の美人が、大一番の金庫に縛り付けられて、怨みの目尻を割いて屹と闇を見据えて居ります。
「女、もう助からぬぞ、余計な事をしなければ、お前などに構って居る我等ではない、なまじ大谷千尋の正体を知ったのが、お前の不運だ。その金庫はニトログリセリンで爆発させるばかりになって居る。口火を点けさえすればいい、お前の身体は金庫の扉と一緒に、微塵になって吹き飛ぶのだ、いいか」
荒縄で縛られた半裸体の女の肉は、冷たい金庫に凍て付いて寒天のように慄えました。が、女の顔には少しも屈従の色はありません。的面に屹と首領の覆面を見据えて、朱唇には火のような言葉を吐きます。
「私を誰だと思う、知らないだろう。どうせ死ぬものなら、その前に言って聞かせる事がある、私はどうしてお前に付き纏ったか、どうして島幾太郎を大谷千尋と見破ったか、それを教えてやろう」