Japanische Klassiker mit Furigana
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
Lesen Sie 青銅の基督 (せいどうのキリスト) von 長与 善郎 (ながよよしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.703 Zeichen · 133 Bildschirme
厚かましくも。」ともいったっけな。彼はほほえみながらひとり語った。「あいつはからかっているんじゃない。実際ほんとうのことをいったのだ。しかし見ていろ。その不実者が何をするか――おおそうだ!」と彼は何かに思い当たったごとく、ステッキを打ち振っていった。「おれは、あいつを身うけすることができるのだ。おれは身うけしてやるだろう! きっと! そうしておれは今の世間の小狐どもから遊女にうまうま釣られた、あの間抜けが。と笑われてみたい。それはおれからいっそう緊張した力を引き出すであろう、すてきだ! あいつはおれをきらってはいないな。たしかにうぬぼれではない。」
彼はその時の幸福を想像して、おどり上がるほどの若々しい力を内に感じながら荒々しく自家の格子戸をあけた。一夜を妓楼に明かした彼は伯母への手前、そういう場合にすぐそれと気取られるような憔悴した後ろ暗いさまを見せまいとして、わざとこちらから伯母を圧倒するような態度に出ようとその瞬間に思ったのである。
「夜前この御仁がお見えになってな。」伯母は不安な調子でいった。「お前になんぞご用があるといってじゃった。」
そして彼女は大きく切った檀紙に沢野忠庵としたためた名札を渡しながら裕佐の顔色をうかがった。