Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.621 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

……おっしゃる通り、日本の中にいるからはどのみち一生かくれ通すというわけにはゆきません道理。お言葉のように、さっそく名乗って出るようにすすめます」

顎十郎はうなずいて、

「あたしも、そのほうがいいと思うんだ。なんと言ってもこれだけ世間を騒がしたのだし、七人の囚人と御船手役人が束になって行方知れずになったということでは、お上でもそのまま捨ててはおきません。今のうちに名のって出て、伏鐘の一味におどかされ、つい、よんどころなくと申立てれば、いくらか罪は軽くてすむでしょう。……それはそうとお静さん、弥之助さんの手紙はだれが持って来ました」

「石をつつんで塀越しに庭さきへ投げこんでありました」

顎十郎は、なにかちょっと考えてから、

「これでだいたい話はすんだが、ひとつ、あなたのご亭主の弥之助さんが今どこにいるか当てて見ましょうか」

「えッ」

「ところは江戸のうち。……水に縁のあるところ。中洲でもなし川岸でもなし、と言って品川の砲台でもない。すると、これは島ですな。江戸に島と名のつくところは、そう数はない。越中島、……佃島……それから石川島……。と、言ったってそんなびっくりした顔をなさらなくともよござんす。