Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.061 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

「三度目は?」

「やはり、八ツごろ」

「すると、三度とも、八ツから八ツ半までのあいだにごらんになったんですね。……夜はどうです」

「夜は、まるっきり姿を見せぬのじゃて。……まだ、一度も見たことがない」

またしても顎十郎は、へらへらと笑いだし、

「蛇塚の眷族は夜遊びはせぬか。……なるほど、蛇姫の身内だけあって躾がいい。こいつあ、大笑いだ。……なあ、ひょろ松、蛇姫のご一統が欄間に出るのは、どうやら、昼の八ツから八ツ半までのあいだときまった。……すりゃア、こんなところでぐずぐず言っているよりも、あすの八ツごろ、むこうへ出かけて行って、とっくり拝見するほうが早道らしい。……蛇塚の眷族はみんな女体だそうだから、ひょっとすると、こりゃあ、色っぽい話になるかも知れないぞ。ひとつ、とっつかまえて、口説くか」

ひょろ松は、黙念。

朽穴

菩提寺で年忌をすませると、ひょろ松はその足で柏屋へ迎えにやって来た。

紋服に仙台平の袴。すこし下凡の気あいがあるが、どうしてなかなかの器量。

「ひょろ松にも衣裳か。こりゃア、見なおしたねえ。そうしていると、……なるほど、村の大旦那。ただ、眼つきの悪いのが玉に瑕だ」