Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.984 Zeichen · 28 Bildschirme
「そうですとも、殺らないほうが本当なんです」
ひょろ松は、たまりかねたように割って入って、
「ですから、甲府でなにか悪いことをしたそのしっぽを吉兵衛が……」
顎十郎は笑いだして、
「大清が京屋のとなりへ移って来たのは昨日や今日じゃあるまい。どんなしっぽをつかまれたか知らないが、いつ言い出されるかわからないのに便々と二年も放っておくわけがない。どうでも殺さなければならないのなら、もっと以前にやっているはずだ。また、吉兵衛のほうにしたってそれだけの弱味を握ってるなら、おもんを引きあげられたときに口惜しまぎれにひと言ぐらい喋らなければならねえ場合だ。俺の考えるところでは、そりゃアたぶん吉兵衛が出鱈目だな。……俺にすりゃア、そんなことより吉兵衛の寺通いのほうが気にかかる。墓いじりばかりしていたなンていうのは、自分の死ぬ日が近くなったのを知ったためではなかったろうか。……おい、ひょろ松、お前、吉兵衛の菩提寺というのへ行って見たのか。どんなことをしていやがったのか洗って来たのか」
ひょろ松は、額へ手をやって、
「どうも、そこまでは……」
「それをやらなきゃ話にならねえ。