Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.406 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

土蔵の中へ入ってくるなどということは決して出来ることではありません」

「いよいよもってこれは不可解。すると、これはどういうことになるンです」

利江は、悧発そうな眼でアコ長の顔を見つめながら、

「きょうお願いにあがりましたのは、そのことなンです。どんなことがあっても入れ変わるの、すりかえるのということが出来るはずのないのに、いま姉といっているのは確かにほんとうの姉ではなくて別なひと。これは、いったい、どういうわけなのか、そのへんのところをキッパリと見きわめていただきたいと思いまして、それでこうしておうかがいしたのでした。あなたがお調べくださって、どんなことがあっても、すりかえるの入れ替えるのということがないとおっしゃるのでしたら、これはあたくしの気の迷いだと思って、二度とこのようなことはかんがえないつもりです」

ひょろ松は、先刻から眼をとじてジックリと利江の話を聴いていたが、だしぬけにギョロリと眼を剥くと、

「阿古十郎さん、それは、たしかに替玉ですぜ」

顎十郎はおどろいて、

「居眠りしてると思ったら起きていたのか。だしぬけに大きな声を出すもんだから、お嬢さんがびっくりしていなさるじゃないか。