Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.904 Zeichen · 28 Bildschirme
のと髪床や風呂で評判を立て、本気にして駈けだして来る娘たちをそのまま引っさらって行ったという寸法なのだろう」
三津五郎は、おとなしくうなずいて、
「差しでがましいと思って、今まで控えておりましたが、大桝屋さんのおはなしがあったとき、たぶんそのへんのところだろうと、わたくしもかんがえておりましたのです」
顎十郎は、急に改まって、
「話がここまでくりゃア、この事件のヤマが見えたも同然。それについても大和屋、お前さんにひとつ頼みたいことがあるんだが……」
「はい、どんなことですか存じませんが、わたくしの身に叶うことでしたら」
「頼みというのはほかではない。明日から当分のあいだ、小鰭の鮨売になって市中を呼び売りして歩いてもらいたいんだ」
「それで、どうしようとおっしゃるので」
「こんどの件はそいつが娘をさそいだす現場をおさえるのでもなければ、取っちめることはもちろん、四人の娘を隠してある場所へさぐりよることも出来ない。そのためには、むこうを油断させ、釣りだして桝落しにかけるほかはないんだが、大袈裟に鮨売の総ざらいなどとやったあとだからむこうも用心してちっとやそっとのことでは気をゆるすまい。