Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.527 Zeichen · 23 Bildschirme
庄兵衛は癇癪を起して、
「よけいな詮索はいらぬわい。貴様はなにかつべこべいうが、当の忠助が、私がいたしました、私のしたことに相違ありませんと白状し、もう爪印までとってある」
「それで、忠助は、どんな毒を盛ったというのだの」
ひょろ松は少々当惑のていで、
「ただ、殺したのは私だというばかりで、そのほうはどうしてももうしません」
「では、段取りのほうはどうだ。そのころ忠助が台所でうろうろしていたというような事実でもあったのか」
「いえ、そういうこともございません。女中や飯たきのほか、店のものなどは、ひとりも台所へ来なかったというんでございます」
顎十郎は、ニヤリと笑って、
「叔父上、いつまでもこんな掛合いをしていてもキリがねえし、ほかの事件ならいざ知らず、出鱈目を言ってすっ恍けているには、すこし間違いが大きすぎるから、よけいなおせっかいのようですが、手前が、ここでこの事件のアヤを解いてお目にかけます。……叔父上、あなたはご存じなかろうが、南の藤波が躍気となって反証を探しているんですぜ。……いよいよ磔刑獄門ときまったところ、南から再吟味を願い出られ、そのすえ、これが真赤な無実だったなどとなったら、あなたは腹切だ。