Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.468 Zeichen · 25 Bildschirme
……それはいいが、こうのべつの葬式つづきじゃこっちも附きあいきれない。といって、おなじ町内で知らない顔も出来ないし……」
「いや、ごもっとも。しかし、阿波屋もたいへんだ。これで主人を残して一家が死に絶えてしまったというわけですか」
「死に絶えたも同然。……あとには末娘のお節という十七になるのがひとり残っていますが、これだって、この先どうなることやら……」
アコ長ととど助が二階で風に吹かれながら桜湯を飲んでいると、すぐ後から、濡れた身体へ半纒をひっかけながらあがって来た三十二三の職人体の男。おずおずしながら顎十郎の前に膝をつき、
「仙波さま、無沙汰をしております。……金助町にいつもお世話になっている大工の清五郎でございます」
「おお、清五郎か。……どうした、ひどくしけているじゃないか」
「へえ、……いえ、どうも、まったく。……その、弱ってしまいました」
たどたどと口籠って、ハアッと辛気くさく溜息をつき、
「あなたさまを見こんで、折入って聴いていただきたいことがございますンですが」
顎十郎は、へちまなりの大きな顎のさきを撫でながら、ほほう、と曖昧な声を発し、
「以前とちがって今は駕籠舁渡世。