Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.674 Zeichen · 36 Bildschirme
すまないが、為と寅に駕籠を舁かせて、一ツ橋御門まで行ってもらいたいんだ」
部屋頭は、怪訝な顔で、
「へい、為と寅に駕籠を……。それで、どうなさろうというんで」
「……おととい、氷をのせて行ったときと同じように、氷室から一ツ橋まできっちり四十ミニュートで行きつくように歩いてもらいたい」
「四十ミニュートで……。ですから、どういう……」
顎十郎はトホンとした顔で、
「……氷献上の駕籠が氷室を出てから、どう氷見役人が小手まわしがきいても、それだけの氷を分けおわるには、すくなくとも四半刻(三十分)はかかる。……駕籠が氷室を出てから四十ミニュートで一ツ橋につくとして、ものの四半刻も遅れてから追いかけて果して駕籠に追いつけるものかどうか……」
部屋頭は膝をうって、
「なるほど、わかりました。……駕籠を舁きだしておいて、四半刻ほどたってから追いかけ、ほんとうに追いつけるものかどうか試してみようとおっしゃる……」
「……まず、その辺のところだ。……どうでも追いつけないなら、こりゃ、青地のやったことじゃない。……追いつけるか追いつけないか、これが、青地が罪になるか罪にならないかの境いだ」