Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.674 Zeichen · 36 Bildschirme

Aozora Bunko

「それは、悪い都合。……それにしても、一ツ橋の御門内で待伏せられたのはどういうわけですか。……いったいの空地で、あの三番原なら、門内で待伏せするよりやりやすかったのではなかったかと思いますが」

「いったんは、手前も、そうかんがえましたが、逃げるには便利なようでも、なんといっても四方みとおしの原」

しおっ、と首をたれて、

「……じつは、その日は、二日ほど前から、水のほかなにものも食しておらんような始末。……この弱あしで原のほうへ逃げましたら、すぐ追いつかれる。……ご門内のほうならば、屋敷も建てこんでいることでござるから、そのあいだを縫い歩いたら、なんとか逃げおわせるかと……」

顎十郎は、ほう、とうなずいて、

「二日も、なにもあがらんで、本郷から一ツ橋まで駈けるのは、なかなか大変でしたろう」

「お恥ずかしいことですが、息切れがいたして、今にも眼がくらむかと思うばかり。……どうして追いつきましたやら、不思議なくらいで……」

「それも、子がかわいさの一心。恩愛の情というのは、えらい働きをするものですな。……盗りもせぬものを盗ったなどと言われるのも、ふしぎのひとつで……」