Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.327 Zeichen · 43 Bildschirme
……凧あげも存外おもしろいものですが、そうしているうちに、チョイとした妙なことに気がついたんです。……さっきも言ったように、これで功名しようの、あなたをへこまそうのというんじゃない、ほんのお道楽。……これから、妙の妙たるゆえんをお目にかけますから、お嫌でなかったら、金座のへんまでお伴したいものですが」
藤波は、キリッと歯を噛んで眼をそらしていたが、忌々しそうに頷くと、
「よろしい、お伴しよう」
と、ホロ苦く呟いた。
烏と鳶
松平越前の脇門を出ると、顎十郎は、手にからす凧と糸巻を持って、うっそりと常盤橋を渡りかける。渡りきったところが、ちょうど金座の横手。
塀越しに金座の屋の棟を見ると、れいの通り、地内の空地からあげる烏凧が十二、三も空に浮かびあがっている。
顎十郎は、薄馬鹿のように空のほうを顎でしゃくりながら、
「……どうです、相変らずやっていますな。……手前は知らなかったが、金座のからす組、小田原町のとんび組といや、下町では有名なもんだそうで、この凧合戦を見にわざわざ山の手からやって来るひともあるくらいだそうです」
藤波は、気のない調子で、
「ふむ、ふむ」