Japanische Klassiker mit Furigana
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かぜ
風
壺井 栄
Lesen Sie 風 (かぜ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.702 Zeichen · 78 Bildschirme
案のじょう出かけてからすぐ修造は引っかえしてき、
「Nたちの晩めし、いらないよ。」
「そう。」
「なるべく、早く帰るからね。」
茂緒は西日のあたっている窓に、まず掻巻だけをほしながら、そのにおいをかいだ。まぎれもない修造のにおいだった。掻巻の内側にぬいつけた古い浴衣の被いが糸をはなれ、よれよれになっていた。脂っぽくよごれた襟をはずすと、においはむっと胸をつく。そのよごれた被いを胸にかかえるようにして、茂緒はしばらく立っていたが、丸めて部屋の隅におくと、また荷物を片づけにかかった。たっぷりと綿の入ったふとんは、途中の道で日光にあたったところだけ温くふくれていた。ごつごつの木綿で、それは彼の母の手織にちがいなかった。茂緒は自分の母のことをも思いだしながら、ごろっとその上にねころんだ。やっぱり修造のにおいがした。茂緒はうっとりとしていた。それは、不安と焦躁をしずめる作用があるようだった。
「こんちは。」
びっくりして茂緒はとびおきた。扶佐子だ。足音の近づいたことさえ気づかずにいたのを恥じながら、
「いらっしゃい。みんな、出ていったんですけど。」
扶佐子は笑いながら、