Japanische Klassiker mit Furigana
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まと
魔都
久生 十蘭
Lesen Sie 魔都 (まと) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 293.999 Zeichen · 578 Bildschirme
さて真名古警視は溜池の左官屋で、壁塗りの仕上った時間を確かめると、タクシーを拾って日本橋の伊吹という洋服屋へ行き、何か細かに問い合わせたのち、その足で室町の松沢宝石店へ入って行く。ハンカチから例の手芸品を取り出すと、迷惑そうな若い手代を掴まえてこんなことを言っている。
「元日っぱなから妙な買物だが、それと同じ大きさの同じ形のダイヤモンドのイミテーションを作れまいか。百円ぐらいでおさまれば好都合なのだが」
手代は呆れたような面持で真名古の顔を眺めていたが、
「これはロゼット型という古い切り方ですな。……左様、無垢のガラスなら出来ないこともございませんが、……お値段のところはちょっと判りかねます」
「このぐらいの大きさならば何カラットぐらいあるかね」
「まず、三百カラットはございましょう」
「どのぐらいの値段がするもんだろう」
手代は、えッと息をひいて、
「御冗談」
「いや、どのぐらいするかときいているのだ」
手代は馬鹿馬鹿しそうな面持で、
「一カラット三百円というのが相場ですが、このくらいの大きな貴石になると、カラット数を二乗することになっていますから、三百の二乗で九万カラット。