Japanische Klassiker mit Furigana
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にしんぎょじょう
鰊漁場
島木 健作
Lesen Sie 鰊漁場 (にしんぎょじょう) von 島木 健作 (しまきけんさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.483 Zeichen · 49 Bildschirme
晴れた朝がやがておとずれたが、六助親爺の死体はついにあがらず仕舞だった。破損した網の修理やなにかでしばらく仕事を休む日がつづいた。
六助は隣村の、やはり農閑期を利用して毎年鰊場かせぎをしていた百姓だった。遭難後二三日すると、頭一面に瘡のできたわらしの手を引いて、嬶が泣く泣くやってきた。帳場に会ってしきりに何かくどくどと訴えているらしい姿がとおくから見られた。
彼女が帰ったあとで、その時彼女が帳場からもらった慰藉料がたった三十円だったといううわさが、どこからともなく伝わると、漁夫たちはわきたった。
「人間一匹の価、三十円とはどうでえ。」
「つぶして売ってももっとにはなるべえ。」
彼らはふんがいし、旦那と帳場の仕打を恨んで口々にわめきたてた。
食事の時だった。めったにそんなところに来たことのない帳場が、飯台にズラリとならんで飯を食っている漁夫たちのところへやって来た。
「お前たちこんどの六助のことで不平を言ってるようだが、」と彼は言った。「そんなこというなア罰あたりっていうもんだぜ。六助には全部前貸してあったんだから、こっちが大損なんだ、それを旦那は俸引になすってそのうえ特別に三十円も下すったんだ。