Japanische Klassiker mit Furigana
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にしんぎょじょう
鰊漁場
島木 健作
Lesen Sie 鰊漁場 (にしんぎょじょう) von 島木 健作 (しまきけんさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.483 Zeichen · 49 Bildschirme
――肩をならべてあるきながら、別れるまでにはいろいろな話があった。山本はそこではじめて農民組合というものについて、詳しく源吉に話してきかせた。村の農民組合支部の幹部としての自分についても語った。源吉にとってはすべてが新らしい未知の世界だった。むさぼるように彼は山本の話を聞いた。――「秋までにはきっとお前の村さ行ぐからな。」そう山本は別れしなに言った。
一人になって源吉はあるき出した。人家が絶えて、道は片側が山、片側が原野であるところへ来た。はじめてこの町へ入った当時の積雪は跡形なく消えて、ものかげに汚れた雪がのこっているだけだった。黒土には黄いろい草が萌え、いたやかえで、おおなら、かしわなどの木の芽が芳しい香りを匂わせていた。源吉はいくどもふりかえっては積丹岳を仰ぎ見た。山裾からすでに半ば以上あらわれたうす紫いろの山肌が、やわらかい春の陽のなかにけぶっていた。――一九三四年五月――