Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
モウ用達が済んだらしい音がすると、一人は厠の中の手洗鉢のある所まで行って、世子の手へ水を濺ぐ。それから床に入られると、もとの如く一人は起きて、一人は介だから寝るのである。この不寝番は、以前はそんなこともなかったらしいが、世子の側に附くものは、文武を励まねばならぬというので、不寝番でも読書することは許された。尤も黙読である。また寒中は火鉢を置くことを許されたのみならず、ちょっとしたドテラ見たようなものを背に着ることも許されていて、それを御不寝羽織といった。この宿番は小姓の外側役も一人居る。側医師というも一人居て、これは小姓の中へ交って不寝番もせねばならなかった。医者で思い出したが、私の京都に着した頃から、風邪が流行していて、我々の同僚も風邪に罹り、遂に前後して誰一人罹らぬ者もないようになった。こんな時は無論引籠りといって、届さえすれば本復するまで勤をせないでもよいのである。私も数日床に就いた。この同僚の居る所は、二十三、四人が三室ばかりに襖を外したままで居るのだから、寝床を敷けば殆んど足の踏場もない位に窮屈であった。そんな風だから風邪の伝染しやすいのは尤である。