Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
七
因て私もそれ以来宇佐美へは自然と足が遠くなった。尤も浄瑠璃の丸本は、ちょうどもう見尽してしまった時であった。
七
これも私の十六歳の時即ち文久二年に、藩主が津藩の藤堂家より養子を貰われ、それが初登城の際より、式部大輔と称せられた。そこで従来の例に依って、その補佐役として『側用達』という役が置かれ、私の父は当藩主の世子の頃その役を勤めた関係もあったから、今度もそれを命ぜらるる事になった。けれども政務の方にも必要なので、ヤハリ目付を本役として側用達は兼勤という事であった。この側用達は役の格式も大分上等に属するもので、即ち中奥筆頭格というに列した。従って、その嫡子たる私においても、それだけの待遇を受ける事になり、まず新年の年賀をする場合にも、今までの大書院ではなくて、中書院という所へ出て、その仲間も皆歴々の嫡子のみである、藩主が江戸へ参勤したり、藩地へ帰任したりするのを送迎する際にも、歴々仲間の出る所へ出られる事になったので、何だか愉快ではあったが、私どもの家は士族としてはさほどよい家柄ではないのに、父のお庇を以てかように私までが歴々の嫡子達と一緒になるのだから、仲間の人々からは何か違った奴が入って来たという風で余り言葉も交わしてくれず、多少そこに軽蔑の眼を以て見られるようなので、その点は不快に感ぜられた。