Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
そして、それが聞届けになるべき様子が知れたので、予て朝廷と幕府のお召もあったから旁、世子は上京せられることになった。そこで幕府はいよいよ藩主の退隠と世子の家督相続を聞届けられて、同時にこれまで代々隠岐守と称せらるるのを、特に伊予守と称せよとの命があった。かつ同時に老中上席に列せよとの命もあった。老中上席といえば、往年桑名の楽翁公が十一代将軍の時、この職に当られて以来中絶していたのを、この度我が世子に命ぜられたので、それだけ幕府から、信任を得られたのである。世子はこれまでも、幕府の重職たる会津侯や桑名侯と常に出遇って時勢を慨し政務を論じ居られたので、かく幕府の施設も困難に赴く際、せめては我が世子を挙げて大いに努力してもらいたいとの両侯の考えもあったろう。けれどもあまりに重任であるからなお退いて考案の上お答をしましょうといって、世子は将軍の御前を退かれ、それから随行の家老の菅五郎左衛門、鈴木七郎右衛門、なぞに謀られたが、何しろモハヤ時勢の挽回は出来かねる際で、なまじいにこの重任を受けられるるは公私共によろしくないと申立てたので、世子の気性としては多少不本意でもあったろうが、遂にその言に従って辞表を差出された。