Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
これらが増上寺の境内を通るので、その抜ける事は許されていたが、もし弁当を携えているとやかましかった。大抵藩士は身分により、一人二、三人の家来を連れており、草履取が弁当を持ったものだが、弁当を認めると『止まれ』といわれて中を検査された。それは『なまぐさ』があるか否かを検べるので、あると境内を汚したというので事面倒に及んだ。藩邸に懸合って、遂に藩主までが首尾を損することになった。それで弁当だけは飯倉から遠回りをすることになっていた。しかし少しの賄賂を使うとなまぐさの入った弁当も無事に通ることが出来た。
私も家族に連れられて増上寺境内は度々通った。怖い心持がいつもした。あの赤羽から這入ると左側に閻魔堂がある。あれも怖かった。長じて後もその習慣で、あの閻魔堂の前は快く通ることは出来ない。その隣に瘡守稲荷があって、天井に墨絵の龍が描いてあった。それも気味が悪かった。この稲荷は維新の神仏を分ける際に、和蘭公使の前に移された。前には東照宮の南側の所に天神様もあった。
東照宮の祭の日にはいつも参詣をした。今の表門はその頃台徳院廟の方へ向いており、外には塀があり、中は石が敷いてあった。