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Japanische Klassiker mit Furigana

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とびとかきととり

鳶と柿と鶏

豊島 与志雄

Lesen Sie 鳶と柿と鶏 (とびとかきととり) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.493 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

吉村は煙草を吸いながら縁端に腰掛けていた。椿の木の下から逃げだし、危いと叫んだ時までの君枝の様子が、珍らしいもののように眼に映ったのである。それは全く普通の女の動作にすぎなかったが、茶をのむ時の手附からちょっとした身振までが、へんにぎくしゃくした直線的な君枝であるだけに、普通の動作が却って目立ったのである。先日、初めて李と一緒に来た時の素振までも思い出された。先日は虚を衝かれた思いだったが、此度はなんとなく楽しく、彼女のために悦んでやりたい思いだった。

このぶんでいったら、彼女もだんだんよくなるだろうと、吉村は考えた。勿論それは病気のことではないし、何がどうよくなるのか彼にも分らなかったが、とにかく明るい気分が懐かれるのだった。

吉村は仕事を急いだ。仕事がすんだら二三日ゆっくり三人で遊び廻ってみたかった。

そうしたところへ、全然意想外なことが持上った。

ある夕方、食後の散歩に、三人で丘の方から街道へおりかかる時だった。

街道を、彼方から、正服の巡査と労働者らしい男とが、肩と肩をくっつけるようにして歩いて来た。双方から次第に近づいて、男は黒のジャケツに地下足袋で、どうやら半島人らしいと見分けられた。