Japanische Klassiker mit Furigana
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme
箸を刺して見て、柔かに通るようになりますと、水を入れて傍に置いた器に取ります。程よく焼けて焦げた皮をそっくり剥ぎ、狐色になった中身の雫を切って、花鰹をたっぷりかけるのですが、その鰹節や醤油は上品を選ぶのでした。
大きくて見事な茄子のある時は亀の甲焼にします。これは巾著などというのでは出来ません。まず縦に二つ割にして、中身に縦横格子形に筋をつけ、なるべく底を疵附けぬようにして、そこへ好い油を少し引き、網を乗せた炭火にかけ、煮立ち始めると、蒂を左の指で持って、箸で廻りからそろそろ剥します。皮を破らぬようにするので、割合に早く煮えるものです。そこへ花鰹、醤油、味醂などを順々に静かに注いで仕上げます。そっくり皿に取りますが、それを剥しながら食べるのがお好きでした。若い人たちは、お舟だといって皮をも食べます。
全体に食物は、油濃いものの外は、あまり註文をおっしゃらないので、いつでしたか歯が痛むといって、蕎麦掻ばかりを一カ月も続けられたのには皆呆れました。
小倉在勤中は、田舎の女中ばかりでさぞ食物に困るだろうという母の心配から、註文のままに品物を送るのでした。