Japanische Klassiker mit Furigana
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おうむぐらかえくびでんせつ
鸚鵡蔵代首伝説
国枝 史郎
Lesen Sie 鸚鵡蔵代首伝説 (おうむぐらかえくびでんせつ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.083 Zeichen · 26 Bildschirme
少年の鳴らす可愛らしい拍手の音が、二つ三つ、静かな夜の空気の中を渡った。と、すぐに全く同じ音が、蔵の面から返って来た。
(あ、ほんとうに、お蔵が返辞をしたよ。まったく鸚鵡蔵だ)
日光の薬師堂の天井に、狩野某の描いた龍があり、その下に立って手を拍つと、龍が、鈴のような声を立てて啼いた。啼龍といって有名である。
が、要するにそれは、天井の構造から来ていることで、幽かな音に対しても木精を返すに過ぎないのであって、そうしてこの鸚鵡蔵も、それと同一なのであったが、無智の山国の人達には、怪異な存在に思われているのであった。
菊弥は鸚鵡蔵が鸚鵡蔵の証拠を見せてくれたので、すっかり満足したが、すぐに、少年の好奇心から、昼間嘉十郎の話した「飯食い地蔵」のことを思い出した。
(どんな地蔵かしら、見たいものだ。嘉十郎の持って行った飯をほんとうに食べたかしら?)
そこで菊弥は、蔵を巡って、その裏手の方へ歩いて行った。蔵の裏手は、蓬々と草の茂った荒地で、遥か離れたところに、孟宗竹の林が立ってい、無数の巨大な帚でも並べたようなその竹林は、梢だけを月光に薄明るく色づけ、微風に靡いていた。