Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうむぐらかえくびでんせつ

鸚鵡蔵代首伝説

国枝 史郎

Lesen Sie 鸚鵡蔵代首伝説 (おうむぐらかえくびでんせつ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.083 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

「あッ」と声は出なかったが、菊弥は、抑えられている口の中で叫んだ。その顔が、お綱の顔だったからである。峠で、昨日、自分をとらえて挑戯った、「醒ヶ井のお綱」の顔だったからである。

「うふ!」とお綱は、薄い、大形の唇から、前歯をほころばせて笑ったが、強い腕の力で、菊弥をズルズルと蔵の奥へ引き摺って行き、依然として馬乗りになったまま、今は、外光さえ届いて来ない闇の中で、囁くように云った。

「菊弥! ナーニ、本名を云やアお菊か菊女だろう! 手前、女だからなア! うふ、いかに男に姿やつしていようと、この綱五郎の眼から見りゃア――そういう俺らア男さ! ナニ『醒ヶ井のお綱』だって! 箆棒めえ、そいつア土蔵破としての肩書だア。……この綱五郎の眼から見りゃア、一目瞭然、娘っ子に違えねえ!」

人か幽鬼か

「ところで俺ら約束したっけなア、もう一度きっとお目にかかるって! さあお目にかかった。どうするか見やがれ! ……女に姿やつしてよ、中仙道から奥州街道、東海道まで土蔵を破らせりゃア、その昔の熊坂長範よりゃア凄いといわれた綱五郎、聞きゃア草深え川路の山奥に納谷という旧家があって、鸚鵡蔵という怪体な土蔵があるとのこと、しめた! そういう土蔵の胎内にこそ、とんだ値打のある財宝があるってものさ、こいつア割かずにゃアいられねえと、十日あまりこの