Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
くろゆり
黒百合
泉 鏡花
Lesen Sie 黒百合 (くろゆり) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.148 Zeichen · 154 Bildschirme
お兼が越えた新庄というのは、加州の方へ趣く道で、別にまた市中の北のはずれから、飛騨へ通ずる一筋の間道がある。すなわち石滝のある処で、旅客は岸伝に行くのであるが、ここを流るるのは神通の支流で、幅は十間に足りないけれども、わずかの雨にもたちまち暴溢て、しばしば堤防を崩す名代の荒河。橋の詰には向い合って二軒、蔵屋、鍵屋と名ばかり厳しい、蛍狩、涼をあての出茶屋が二軒、十八になる同一年紀の評判娘が両方に居て、負けじと意気張って競争する、声も鶯、時鳥。
「お休みなさいまし、お懸けなさいまし。」
四十二
その蔵屋という方の床几に、腰を懸けたのは島野紳士、ここに名物の吹上の水に対し、上衣を取って涼を納れながら、硝子盃を手にして、
「ああ、涼しいが風が止んだ、何だか曇って来たじゃあないか、雨はどうだろうな。」
客の人柄を見て招の女、お倉という丸ぽちゃが、片襷で塗盆を手にして出ている。
「はい、大抵持ちましょうと存じます。それとも急にこうやって雲が出て参りましたから、ふとすると石滝でお荒れ遊ばすかも分りません。」
「何だね、石滝でお荒れというのは。」
「それはあの、少しでも滝から先へ足踏をする者がございますと、暴風雨になるッて、昔から申しますのでございますが。