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Japanische Klassiker mit Furigana

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くろゆり

黒百合

泉 鏡花

Lesen Sie 黒百合 (くろゆり) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.148 Zeichen · 154 Bildschirme

Aozora Bunko

恐い獣に守らしておきもしようし、真暗な森で包んであろうも知れず、地獄谷とやら、こんな恐い音のする、その立山の底に秘くしてあるものもあろう。近い処が、お前さんが前刻お話の、その黒百合というものだ、つい石滝とかの山を奥へ入るとあるッていうのに、そら、昔から人が足蹈をしない処で、魔処だ。入っちゃあならない、真暗だ、天窓が石のような可恐い猿が居る、それが主だというじゃあないか。この国中捌いてる知事の嬢さんが欲しくっても、金でも権柄ずくでも叶わないというだろう。滝さんどうだね、そんなものを取って来ちゃあ。

一番何でもそういったものを、どしどし私たちが頂戴をすることにしようじゃないか。私ばかりでない、まだ同一心の者が、方々に隠れている、その苧環の糸を引張ってさ、縁のあるものへ結びつけて、人間の手で網を張ろうという意でね、こうやって方々歩いている。何、私なんざ、ほんの手先の小使だ、幾らも、お前さんの相談相手があるんだから、奮発をしてお前さん、連判状の筆頭につかないか。」

意気八荒を呑む女賊は、その花のごとき唇から閃いてのぼる毒炎を吐いた。洞穴の中に、滝太郎が手なる燈の色はやや褪せたと見ると、件の可恐い響は音絶えるがごとく、どうーどうーどうーと次第に遠ざかって、はたと聞えなくなったようである。