Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ああぎょくはいにはなうけて

ああ玉杯に花うけて

佐藤 紅緑

Lesen Sie ああ玉杯に花うけて (ああぎょくはいにはなうけて) von 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.617 Zeichen · 250 Bildschirme

Aozora Bunko

「気の毒だなあ」

光一の胸に憐愍の情が一ぱいになった。かれは自分の解説があやまっていないかをたしかめるために控え席へと急いだ。

ひとりひとり教室からでてきた、かれらの中には頭をかきかきやってくるものもあり、また大功名をしたかの如くにこにこしてくるものもあり、あわただしく走ってきてノートを開いて見るものもあった、人々は光一をかこんで解説をきいた、そうして自分のあやまれるをさとってしょげかえるものもありまた、おどりあがって喜ぶものもあった、この騒ぎの中に阪井が青い顔をしてのそりとあらわれた。

「どうした、きみはいくつ書いた」と人々は阪井にいった。

「書かない」と阪井は沈痛にいった。

「一つもか」

「一つも」

「なんにもか」

「ただこう書いたよ、援軍きたらず零敗すと」人々はおどろいて阪井の顔を見詰めた、阪井の口元に冷ややかな苦笑が浮かんだ。

「だれかなんとかすればいいんだ」と手塚がいった。

「ぼくは自分のだけがやっとなんだよ」とだれかがいった。

「一番先にできたのはだれだ」と手塚がいった。

「柳だよ」「そうだ柳だ」

「柳は卑劣だ、利己主義だ」

声がおわるかおわらないうちに阪井は弁当箱をふりあげた。