Japanische Klassiker mit Furigana
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あるまりのいっしょう
あるまりの一生
小川 未明
Lesen Sie あるまりの一生 (あるまりのいっしょう) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.721 Zeichen · 8 Bildschirme
」といいました。
まりは、子供たちといっしょになっていた時分が、やはり恋しかったのです。そして、独りぼっちとなり、やがて、みんなから忘れられてしまうと考えると、もうじっとしているわけにはいきませんでした。
「雲さん、長い間、どうもお世話になりまして、お礼の申しあげようもありません。私は、下界へゆきます。そして、坊ちゃんや、お嬢さんたちのお仲間入りをいたします。私は、もう、さびしくて、さびしくてかないません……。」と、まりはいいました。
雲は、このことを聞くと、また、まりの心持ちに同情をしました。
「それほど、あなたが帰りたいなら、つれていってあげましょう。」と、雲はいいました。
ある夜、雲は、まりを乗せて下界へ降りてきました。そして、いつかまりの隠れていたやぶの中へ、そっと降ろしてくれました。
「まりさん、お達者にお暮らしなさい。さようなら……。」と、雲は、名残惜しげに別れを告げました。
「ありがとうございました。」と、まりは、お礼をいいました。
やがて、夜が明け放れると、やぶの中へ朝日がさし込みました。小鳥は木の頂で鳴きました。そして、ぼけの花が、真紅な唇でまりを接吻してくれました。