Japanische Klassiker mit Furigana
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いさましいはなし
いさましい話
山本 周五郎
Lesen Sie いさましい話 (いさましいはなし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.835 Zeichen · 73 Bildschirme
ことに問題になるのは伐り出し許可の証書であって、奉行所の役印が捺されている点、どうしても玄一郎の責任はまぬがれないだろう。そこで津田は主謀者となのり、証書は自分が作り、役印も自分が盗んで捺したと自訴したのである。
初めから見当をつけたとおり、益山、上原、三次の名をあげたが、和泉図書助の巧みな計らいで、ふいに浪花屋の手代とつきあわせ、案外なくらい簡単に計画が露顕したという。
「――しかし、もしそれが事実とすれば」
玄一郎には、まだなにか解しかねる気持であった。
「――それが事実だとわかっているなら、津田さんを罪にすることは避けられた筈ではないか、裁決までもってゆくためにやむを得なかったのかもしれない、だがそれにしてもなにか方法がある筈じゃないか」
「この仔細を御存じなのは庫田さまお一人でございますの、ほかには誰も知ってはおりません、あの方は罪をお避けにはなりませんでした、――あなたのために、よろこんでお立退きになったそうでございます」
「――おれのために……」
「あの方は、津田さまは、あなたの実のお父さまでいらっしゃいますって」
玄一郎は息をひそめた。ひじょうに不愉快なことを聞いた感じで、――なにをばかなと思い、脇へ眼をそむけた。