Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
牛乳配達がガラガラと車をひっぱっている。俺のほうなど、てんで見向きもしない。
サツ(警察)に着いて、
「理由はなんだ」
検挙の理由を改めて聞くと、住所不定のフロー罪だと言う。
人を馬鹿にしてやがる。お粗末な下宿ながら、俺にはちゃんと住所がある。
「あっても、現在は住所不定だ」
こういう、理由にならない理由で、思想関係の者を(左翼が主だが)そのころは、どんどんしょっぴいたのである。
警察犯処罰令というのに「左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ三十日未満ノ拘留ニ処ス」ことができるとあって、「一定ノ住居又ハ生業ナクシテ諸方ニ徘徊スル者」はそれに該当する。俺もこれでやられたのだ。罪名がそれこそ不定だから、ひとまずこのフロー罪であげたのだろう。
「署長を呼べ」
と俺はどなった。
「分った。分った。おとなしく、ひと寝入りするんだな」
俺は豚箱にたたきこまれた。
新入りとしてザシキ(監房)のとば口に坐らされた俺は、ウォーウォーと、けだもののように吠えていた。捕えられたけだものを俺は自分に感じながら、屈辱の唸り声をあげていた。
「うるさい」
とピンピク(看守)が言った。
「うるさい!」
と俺はどなりかえした。