Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
白粉がうまくのらない、むらむらの顔は、ついこの間まで野良で働いていた娘らしいとも思われる。砂馬はしかし、三十すぎた女でなきゃ話にならんと言う。砂馬の言う年増とはその齢ごろのことである。そしてその年増とはあばずれという意味でもあった。
あらゆるタイプの女がここにはいた。お好みの女を買えるのだ。根よく探せば、自分の好きな映画女優に似た女が、きっと見出せる、そういう場所だった。思えば、淫売窟華やかなりしころだったのである。
砂馬の言う年増が、
「ちょっと寄ってらっしゃいよ」
と小窓から言った。ざらざらした声だった。若い子は洋服が多いのだが、この私娼は着物を着ていた。へらへらした生地の、安物の着物の衣紋を思い切り抜いて、その頸筋から肩にかけて白粉を真白に塗りたくっていたが、その顔は齢をごまかす厚化粧ではなかった。
「オブ(茶)でも飲むか」
齢を隠そうとしてないことが、砂馬の気に入ったようだった。
「お前んちは何人だい?」
「団体さん?」
と女は笑って、眼尻に小皺のさざなみを立てながら、
「うちは四人よ」
小窓の横に、アパートの部屋の扉のような出入口がある。砂馬は、おいはいろうと俺に言って、扉を蹴った。