Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
その全国行商人先駆者同盟というのを俺は何も知らなかった。あとで丸万から聞いた話だと、震災前に、社会主義者の手で露店商人の間に、そういう団体が作られたのだが、うまく行かないで立ち消えになったと言う。
「おめえのほうは、どうだい」
「組合かい」
「うまく行ってるかい」
この丸万は「現実派」と「観念派」の中間のようなアナーキストだった。その彼が砂馬の子分になっていたのは、砂馬の人間に惚れこんだためだ。丸万にはとかく男に惚れっぽいところがあったが、砂馬にもたしかに人をひきつける魅力はあった。
「ボル派の夜這いがひどくてやり切れない」
と俺は丸万に言った。関東地方労働組合自由連合会系のある組合の仕事を俺はしていた。魔窟通いで、いたずらに日を送っていたわけではないのだ。
「夜這いの野郎を俺は見つけ次第、叩きのめしてやるんだが、次々に新手がやってきやがる」
と俺は言った。この「夜這い」というのは、大杉栄がボル派のある闘士を「夜這いの名人」と名づけたことから来ている。
この「名人」は、月島の労働会館というようなところへ、夜、こっそりはいりこんで、アナの悪口を言って、労働者をボルのほうへ引っ張り込んで行った。