Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
「百成君もあんたと同業か」
「彼はこんなみみっちいことはしていない」
と金原は俺に言った。
「もっと悪党か」
「さ、なんて言ったらいいか。彼はもう上海では顔だからね。なにもしなくても、すわってるだけで、情報がはいる。その情報でも入れてれば、それだけで食える」
「なんの情報だ」
「いわゆる在留邦人の動静さ」
「どこへ情報を売るんだ」
金原はそれに答えず、
「玉塚英信という作家が従軍作家として上海へ来てる。もう前線へ出たかな。あれはたしか、あんたの知り合いだな」
「それも、百成君の情報か」
どのくらい歩いたろう。堤に出てからすでに二時間は歩いていた。オーバーを着込んだ身体が汗ばんできた。
「あれだな」
と金原はかなたの竹藪を指さした。
堤から降りた。竹藪を目ざして小道を行くと、路上に中国兵の死体がころがっていた。歩哨に注意された生きた敗残兵でなく、遺棄死体にぶつかった。堤の上の死体は日本兵が片づけたらしいが、こういうところのは忘れられているのだ。
顔の肉がすでに崩れ落ちて、骸骨になっている。白いはずの骨が黒ずんでいた。機械油のしみた作業服みたいな色をした軍服が、変にペシャンコなのも、中身の肉が腐って消失したせいか。