Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
だが、輝子のボテレンを見たのは、たしかにショックだった。
(近く生れてくる子も、父の砂馬が今殺されるんでは可哀そうだな。近く生れる子を見ないで死ぬんでは、砂馬も可哀そうだな)
俺はそう呟いて、いやいや、今夜というのを延ばしただけだと俺は俺の仏心を押しつぶした。今夜はカンベンしてやろう。今夜だけ見のがしてやる。
宿屋に帰った俺は、その夜、まるで死んだみたいに寝たもんだ。照子から「河向う」に隠れてろと言われた俺が、宿屋で寝るとは大胆不敵――でも俺自身は大胆不敵ともなんとも思っちゃいなかった。俺はすごく疲れて、どこでもいいからこんこんとセブリ(眠り)たかったのだ。豚のごとくに寝たのである。
翌朝、俺は風巻をその社に訪ねた。ビルの一室である。風巻はまだ社に出ていなかったが、もうすぐ来るはずだと言うので、衝立で仕切られた応接間で待つことにした。
丸万がつかまった真相を、新聞社を通して聞いてみたかった。できたら丸万を助ける方法が何かないか、風巻に相談してみたいと思った。子供ができたと喜んでいた丸万……。
内地から送られてきた新聞がテーブルの上にあった。なつかしい内地の新聞だが、そのときの俺は別に、見る気がしなかった。