Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おぎん
おぎん
Lesen Sie おぎん von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.235 Zeichen · 11 Bildschirme
役人はまた処刑の手間どるのに、すっかり退屈し切っていたから、話をする勇気も出なかったのである。
すると突然一同の耳は、はっきりと意外な言葉を捉えた。
「わたしはおん教を捨てる事に致しました。」
声の主はおぎんである。見物は一度に騒ぎ立った。が、一度どよめいた後、たちまちまた静かになってしまった。それは孫七が悲しそうに、おぎんの方を振り向きながら、力のない声を出したからである。
「おぎん! お前は悪魔にたぶらかされたのか? もう一辛抱しさえすれば、おん主の御顔も拝めるのだぞ。」
その言葉が終らない内に、おすみも遥かにおぎんの方へ、一生懸命な声をかけた。
「おぎん! おぎん! お前には悪魔がついたのだよ。祈っておくれ。祈っておくれ。」
しかしおぎんは返事をしない。ただ眼は大勢の見物の向うの、天蓋のように枝を張った、墓原の松を眺めている。その内にもう役人の一人は、おぎんの縄目を赦すように命じた。
じょあん孫七はそれを見るなり、あきらめたように眼をつぶった。
「万事にかない給うおん主、おん計らいに任せ奉る。」
やっと縄を離れたおぎんは、茫然としばらく佇んでいた。