Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おばなさわ

おばな沢

山本 周五郎

Lesen Sie おばな沢 (おばなさわ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.479 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

「――だんだん不安になるばかりなんです、節子さん、私たちは本当に結婚することができるでしょうか」

節子は、掛け夜具の中から云った。

「――そんな心配はなさらないで、……わたくしきっと丈夫になります、でも、こんなことをなすってはいけませんわ」

「――いけませんでした、もう決してしません、あなたが戸田へ来て下さるまでは」

英之助はこう云って紙の音をさせていたが、つと夜具の下へなにかを押し入れた。

「これだけまた預っておいて下さい。急ぎますからこれで失礼します」

また金だと思った。話して断わらなければならないと思ったが、どうしても顔を出すことができなかった。――英之助はもういちど挨拶をして立ちかけ、ふと思いだしたように、

「ちょっとお耳にいれておきますが、尾花沢の総支配をしているのは相良です、私は彼の部下というわけなんです、いつか彼のことを聞いたのは、そういう理由があったんですよ」

節子はなぜともなく、どきっとした。

「しかし相良とはうまくやって来ました、これからもどうやらうまくゆきそうです、どうかお大事に、暇をみてまたお伺いします」

掛け夜具をかぶったまま挨拶をし、彼の足音が聞えなくなるまでそうしていた。