Japanische Klassiker mit Furigana
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おひめさまとこじきのおんな
お姫さまと乞食の女
小川 未明
Lesen Sie お姫さまと乞食の女 (おひめさまとこじきのおんな) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.692 Zeichen · 16 Bildschirme
「ほんとうに、ありがとう。」と、お姫さまは、涙に輝いた瞳を上げて、小鳥をじっとごらんなさいますと、小鳥は、やっと安心をしたように、空高く舞い上がって、どこへともなく、雲を遠く飛び去ったのであります。
ちょうどお姫さまが、お城を出られてから、三たびめの春がめぐってきたのでありました。その間に、どうしたことか、門番の姿は見えませんでした。お姫さまは、乞食の女のことが気にかかりながら、お城の内へとしずみがちに歩みを運ばれました。
「まあ、お姫さま、お帰りでございますか。」と、侍女は、お姫さまの姿を見ると、目にいっぱい涙をためて抱きつきました。
「おまえも無事でよかったね。そしてあの女はどうしました?」と、お姫さまも目に涙をためて聞かれました。
侍女は、声を忍んで泣きました。そして、
「お姫さま、まことにかわいそうなことでございます。去年の春、御殿にお客がありまして、ご宴会のございましたときに、殿さまから、お姫さまに歌をうたって舞うようにとのご命令がありました。あの女は、そんな歌も知らなければ、また舞いもできませんでした。それを知らぬというわけにもいかず、その前夜、井戸の中に身を投げて死んでしまいました。