Japanische Klassiker mit Furigana
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おこしょうこたろう
お小姓児太郎
室生 犀星
Lesen Sie お小姓児太郎 (おこしょうこたろう) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.011 Zeichen · 14 Bildschirme
」
弥吉は、瘠せてはいるが、今小姓仲間の孔雀といわれている大隅を、そう言われて急に思い出した。なぜか児太郎とくらべものにならない気がした。
「ぞんじて居ります。」
「予といずれが際立ち居るか。つつまず申して呉れ。」
弥吉は、すぐ返事ができなかった。そのため、立鏡にうつる自分の顔をわざと鏡の外側へずらせた。が、そのとき児太郎はそれを素早く見つけた。
「どうじゃ。」
「はい。」
児太郎は、その隙間にぐさりと突き込んで言い放った。
「予の方が劣るか。」
弥吉は、こう言い乗せられると、益々あわてて吃って、あいにく、喉絡まりをした声がかすれて出なかった。
児太郎は、立鏡を足で蹴り上げた。裏切りものめ、そう叫んだ児太郎は、髢にかけた弥吉の手をとると、いきなり庭さきへ叩きつけた。起上ろうとするのを上から乗り寄せ、丁々と額を打った。弥吉は、唇を噛みしだきながらも、手向いをしなかった。そして正面から児太郎の顔をゆっくり凝視め、冷えわたるような笑みを漏らした。
「児太郎様にくらべると、大隅さまはずっと立派に居られます。」
児太郎は、身うごきもせず、そう大胆に言い退ける弥吉の顔をむしろ呆然とながめた。